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これからも道化師を演じます

遠藤周作さんは、日本宣教を志す若いフランス人神父のエピソードを描いた自作に「おバカさん」という名前をつけました。「おバカさん」とは、宣教師にまったくふさわしい名前だと、最近、つくづく考えていす。キルケゴールはどこかで、宣教師は道化師に似ていると書いております。つまり、宣教師はおもしろがられるかもしれませんが、真剣に受け入れられることはないということです。
昔、ヨーロッパの王様のそばには道化師がかならず控えていました。そして、時々意味深いモノ言いをしました。現代の画家の間でも、たとえばピカソ、ルオーなど、道化師というモチーフはよく取り上げられています。道化師は一種の魅力をもっているようです。
現代の日本でキリスト教を述べ伝えようとする宣教師は、道化師そのものです。平和と幸福を満喫する今日の日本人に、救いをもたらすキリスト教を述べるのは、まったく無駄なことではないでしょうか。いつも明日のこと、将来のこと、前進、前進と考える日本人にとって、二千年前のキリストの話はカビが生えるほど古臭いことではないでしょうか…。
にもかかわらず私は、キリスト教は真実だから、そのキリスト教を述べ伝えることを辞めるつもりはまったくありません。
パウロはその弟子の一人に「福音を述べなさい。おりが良くても悪くても宣教に励みなさい」と言っています。私はこれからも道化師役を演じ続けようと思います。
G・ネラン

Gネラン(2000). ま、飲みながらでも フリープレスサービス

ジョルジュ・ルオー
道化師
1937年または1938年

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